Potato-ORCA Install方法 ( 宮前平内科クリニック)

日医標準レセプトソフトのインストールの前に必要な準備

インストーラとして「徹底入門CD-ROM 1」とPotato-official 2.2r7 Disk1, 2, 3を用い,「徹底入門」式インストールをいたします。

X Windowの設定

anXiousで「Unknown Video Card」であるとき:下記4つないし5つインストールした後,「LANG=C XF86Setup」でxf86setupをたちあげてXを設定します。コンソール画面で,xserverをおのおのdefaultにするか質問されてもすべてno (n)として,xf86setupで設定するほうが簡便です。

下記ページでご使用のvideo cardを捜し,適合するxserverをインストールしましょう。(特にノートなどオンボードチップの場合)カードがリストに記載されていなくても,同じベンダのカードに適合したxserverをインストールしておけば,型番を指定しなくても成功することがあります。これで失敗するときは「Detailed Setup」のページを開けてチップセットを指定するとよいかもしれません。ベンダの名前であたりをつけて(わからないことも多い)上から順にしらみつぶしに試しましょう。

http://www.xfree86.org/cardlist.html

上記方法で失敗した場合,モニタが液晶であれば「svga」で立ち上げることが可能かもしれません。しかしこの状態では残念ながら何らかのトラブルがあるでしょう。

最新版のpotato(2.2r7)であることを,apt-setup,apt-get update,apt-get dist-upgradeで確認します。

GNOME(グノーム)環境をインストール

 # apt-get install task-gnome-desktop

同様にして,

をインストールします。

ktermで日本語を表示できるようにするには,ファイル ~/.Xresources をつくり
KTerm*kanjiMode: euc   と記載します。


作業ユーザー

インストール作業は原則的にorcaユーザー(日医標準レセプトソフトのスーパーユーザ:管理者 $)で行います。コンソールで作業する場合は,途中で漢字コンソール(kon)に変更したほうがよい場合があります。

また,一部コマンドはスーパーユーザー(root #)でないと実行することが出来ません。必ず#,$の区別を確認しましょう。


/etc/apt/sources.list

スーパユーザ(root)でログインし,startxでx-windowを立ち上げます。geditなどを用いて /etc/apt/sources.list を開きます。Debianのインストール時にCD-ROMで編集(apt-setup)したsources.listは「sources_cdrom.list」として保存しておきます。Mozillaで表示した(ORCA projectのホームページhtttp://www.orca.med.or.jp/)下記述をコピー&ペーストします。

/etc/apt/sources.list の内容

# See sources.list(5) for more information, especialy
# Remember that you can only use http, ftp or file URIs
# CDROMs are managed throught the apt-cdrom tool.
deb ftp://ftp.jp.debian.org/debian potato main contrib non-free
deb ftp://ftp.jp.debian.org/debian-non-US potato/non-US main contrib non-free
deb ftp://ftp.jp.debian.org/debian-jp potato-jp main contrib non-free
deb ftp://ftp.jp.debian.org/debian dists/potato-proposed-updates/
deb ftp://ftp.jp.debian.org/debian-jp dists/potato-jp-proposed-updates/
deb http://security.debian.org/ potato/updates main contrib non-free
deb ftp://ftp.orca.med.or.jp/pub/packages/debian unstable/orca main
deb-src ftp://ftp.orca.med.or.jp/pub/packages/debian unstable/orca main

Package情報の更新

これらのエントリを追加後,
 # apt-get update
を実行することにより、Package情報の更新を行いPackage一覧に日医標準レセプトソフト用のPackageを加えることが出来ます。

次に、ローカルマシンの各種パッケージをアップグレードします。

 # apt-get dist-upgrade

日医標準レセプトソフトのインストール

(1) ユーザーの作成 (ただしorcaユーザはDebianインストール時に作っておきます)

Linuxのユーザーを作成します。例では、ユーザ作成にadduserコマンドを使用しています。
  ユーザー名:clinic
  パスワード:clinic(任意)
# adduser clinic
  Adding user clinic...
  Adding new group clinic (1001).
  Adding new user clinic (1001) with group test.
  Creating home directory /home/clinic.
  Copying files from /etc/skel
  Enter new UNIX password: clinic(任意)
  Retype new UNIX password: clinic(任意)
  passwd: password updated successfully
  Changing the user information for test
  Enter the new value, or press return for the default
      Full Name []: CLINIC
      Room Number []:
      Work Phone []:
      Home Phone []:
      Other []:
  Is the information correct? [y/n] y

gnomeの設定


(2) 日医標準レセプトソフトパッケージの導入

日医標準レセプトソフトパッケージをインストールします。
dselectを使用しても構いませんが、インストールしたいPackage名が解っている場合には apt-get が便利です。
 # apt-get install パッケージ名
でインストールできます。日医標準レセプトソフトのパッケージを全てインストールしてしまいたい場合は taskパッケージが用意されていますので,
# apt-get install task-orca
# apt-get upgrade
でインストールすることも出来ます。

また、開発ツールもインストールしたい場合は task-orca-dev をインストールしてください。これはtask-orcaに加えて画面作成ツールなどが含まれています。 


PostgreSQLの設定
PostgreSQLは、デフォルトではlocalhostからの接続しか受け付けていないので設定を変更する必要があります。
スーパユーザ(root)でログインし/var/lib/postgres/data/pg_hba.conf ファイルの内容をgeditなどで修正して下さい。

この編集を終了しないと,画面が不安定になりますので必ず施行します。

環境に合わせ修正します。

<デフォルト>
local        all                                   peer sameuser
host         all         127.0.0.1     255.0.0.0   ident sameuse
host         all         0.0.0.0       0.0.0.0     reject
  ↓
<修正>
セキュリティに配慮した設定が必要です。

設定は、PostgreSQL 7.1.3 ドキュメント Chapter 4. クライアント認証
(http://www.postgresql.jp/document/index.php3)等を参照下さい。


<下記directoryファイル記述例の場合>
IPアドレス:192.168.1.175
 
 local    all                                       peer sameuser
# host     all       127.0.0.1          255.0.0.0    ident sameuse  <=この行削除
 host     all       127.0.0.1    255.255.255.255    trust  <=この行追加
 host     all         0.0.0.0            0.0.0.0    reject

編集できたら,一度パソコンを再起動させます。
# reboot
 
(3) 医療機関IDの設定システムを使用するため医療機関IDを設定します。
(医療機関IDは日医標準レセプトソフトサポートセンターより発行いたします)
医療機関IDとは医療機関ごとに与えられた番号であり保険請求の医療機関コードとは異なります。

医療機関IDの形式
桁数:15桁 JPN−XX−XXX−XX−XXXXX
   ("−"は見易くするためでIDには含みません)   
国識別 都道府県番号(2桁) 市町村コード(3桁) 点数表区分(2桁) 連番号(5桁)
JPN XX XXX XX XXXXX

orca-hospid-set.sh シェルにて医療機関IDを設定します。

ここでコンソール画面を「kon」に変更します。


・JPN1413601xxxxxとして登録します (orcaユーザーで実行)。

 $ ./orca-hospid-set.sh JPN1413601xxxxx
・試用版として登録する場合の例
ご試用の際は、JPNの後の12桁は全て「0(ゼロ)」を設定すればテストとして動作させることが出来ます (orcaユーザーで実行)。
 $ ./orca-hospid-set.sh JPN000000000000

(4)ユーザー認証ファイル作成

「kon」をexitします。MONTSUQIのGLSERVERへ対するユーザー認証ファイルを作成します。

認証ファイルの作成( gluseradd コマンド)
gluseradd -file [パスワードファイル名] -p [パスワード] [ユーザー名]

orcaユーザは日医標準レセプトソフトスーパーユーザとなります。通常の業務には用いず,マスタ設定時などに用います(管理者)。

LinuxユーザID(この場合はorca)とLinuxパスワードとは異なる,「オルカマスター:ormaster」として日医標準レセプトソフトに登録します。

 $ /usr/local/panda/bin/gluseradd -file /usr/local/orca/auth/.orcapwd -p ormaster ormaster
また、gluseradd コマンドの使用方法については下記にて確認することが出来ます。
 $ /usr/local/panda/bin/gluseradd -?

同様に,clinicユーザを登録します。この場合はLinuxユーザのパスワードと同じでかまいません。

 $ /usr/local/panda/bin/gluseradd -file /usr/local/orca/auth/.orcapwd -p clinic clinic

ユーザの登録が済んだら,スーパーユーザー(root)で認証サーバを再起動します。

 $ su
Password: [パスワード]
 # /etc/init.d/glauth restart
ユーザの作成にはこの glauthadd での登録のほかに、日医標準レセプトソフトにて職員情報を登録する必要があります。後述の「職員情報の登録」にて設定を行って下さい(clinicユーザはマスタ登録などの権限をもたないように設定するほうが安全です)。

コマンド実行後にはスーパーユーザーからログアウトし,orca ユーザーに戻ります。

 # exit
 $

(5) システム管理マスタ設定

日医標準レセプトソフトを起動するには X-window と gonome が必要です。orcaユーザでログインし,「startx」でX-window+gonomeを立ち上げます。


GLCLIENT起動 日医標準レセプトソフトを起動します。

 $ glclient -style ~/orcarc -user ormaster -pass ormaster panda:orca00
このコマンドを用いると,どのLinuxユーザからでも日医標準レセプトソフトを立ち上げることができます (~:チルダ)。

メニュー画面を表示します。システム管理マスタの医療機関固有情報を設定します。

メニューより
  [01 医事業務]
    ↓
  [91 マスタ登録]
    ↓
  [101 システム管理マスタ]
を選択します。管理コードに"1001"を入力し「ENTER」キーを押します。

「F12」キーを押します。

医療機関情報の基本情報タブが活性になっています。

必要な項目を訂正します。

【注意】各入力領域でデータをタイプインしたら必ず「ENTER」キーを押します。

入力が完了したら「F12」(登録)キーを押します。

確認のメッセージに従い「OK」ボタンをクリックするか、「ENTER」キーを押します。

以下の管理コードを同様に設定します。

  1001:基本情報
  1002:所在地・連絡先情報
  1003:広告情報
  1006:施設基準情報
  1007:自動算定情報
  1009:患者番号構成情報
以下の管理コードについては管理コードと区分コードを指定して設定を行います。
  1005:診療科目情報
  1010:職員情報  <−− ここで「職員情報の登録」を行います。
  1013:請求書自費名称情報
  1026:減免事由情報
  1027:割引率情報

職員情報の登録には前述の glauthadd で作ったユーザー名と日医標準レセプトソフトのオペレータIDをあわせて下さい。orcaユーザで用いる日医標準レセプトソフトのオペレータIDは「ormaster」とします。ユーザ名は「オルカマスター」,職員コードは「00001」のままとします。

clinicユーザの日医標準レセプトソフトのオペレータIDは「clinic」にします。ユーザ名は「クリニック」,職員コードは「40001」とします(任意)。


(6) ユーザー起動スクリプト設定

設定を行うLinuxのユーザーでログインします。

以降はユーザー名を clinic 、パスワードを clinic とした場合の例です。
まずカレントディレクトリ /home/clinic に隠しディレクトリ「.clinic」 を作成します。

 $ mkdir .clinic
ディレクトリ「.clinic」 へ移動してから,エディタ「vi ヴィーアイ」で実行ファイル「orca-client.sh」をつくります。ヴィーアイ使用法は徹底入門376ページ参照。
 $ cd .clinic 
 $ vi orca-client.sh
【orca-client.sh の設定例】
#!/bin/sh
  /usr/local/panda/bin/glclient -style /home/orca/orcarc -user clinic -pass clinic panda:orca00
パーミッションを変更します(このときカレントディレクトリ ~/.clinicにいることを確認します)。
 $ chmod 700 orca-client.sh

(7) 再ログイン

一旦ログアウトして環境を作成したユーザーでログインを行います。

日医標準レセプトソフトの業務メニューが表示されればインストール は正常に行われたことになります。


gdmのインストール

必要であれば,gdmをインストールします。gdmをつかえば,ウインドマネジャの選択とグラフィカルログインが可能になります。リブート,シャットダウンもgdm画面からできますし,シャチのマークも入っています。

gdmを使うとき,rootは日本語のWindowMakerで立ち上るように設定します。

ユーザディレクトリに「.xsession」を残しておいても支障ないようです。

お好みで,水玉ボタン(Aqua),ホイールマウス(imwheel),APM,各種Windowsとのデュアルブート,などを設定します。

 

WindowMakerの日本語化:武藤健志さま著 「Debian GNU/Linux 徹底入門 Potato対応」 216ページ

WindowMakerをウインドマネジャとして使用する場合:日医標準レセコンに使用されるショートカットがWindowMakerのショートカットと重複します(日医標準レセコンではF12キーを頻用します)。WindowMakerの設定ユーティリティの「キーボードショートカットの設定」を開いてショートカットをクリアしましょう。

Aqua http://www.orca.med.or.jp/use/faq/faq_08.html

水玉ボタン(Aqua)を使用すると落ちやすい,という情報もあるようですのでご注意ください。

ホイールマウス(imwheel) http://www.a-yu.com/tools/app4.html#wheel

APM http://www.topstudio.co.jp/~kmuto/debian/qa/qabody.php3?177

Windows Xp/2000/NTとデュアルブートする場合のブートローダの設定 
http://www.a-yu.com/system/nt03.html

 

武藤 健志さま,日医総研さま 無断リンク転載,お許しください。

 

2002/6/29  2002/8/2 改定                                     Katsuhiko Ito, MD